つつじお見事!奥多摩天目山
 予報通りの曇り空でした。奥多摩に近づくにつれ霧が立ち込めてきました。5時43分倉沢バス停近く、倉沢林道入り口のゲート前の空き地に駐車。一台先客がありました。朝食を取り準備をして「さあ、出発!」と思ったらパラパラ雨が降って来ました。山の天気予報では「曇りだが雨は降らない。」はずだったし、下界の天気予報では「晴れ」のはずなのに、まさかの雨に不穏な空気が流れます。「本来なら登らないような天気なのにあんたがどうしても行きたいっていうからさぁ。」とおんじ得意の責任転嫁。「どうする?行くの?」と鼻から弱腰。「行くよ。来ちゃったんだもん。」とハイジ。「今日は頂上までは行けそうもないな。雨が酷くなったらヨコスズ尾根に出た所までにして引き返す事になるかもしれない。」とおんじ。それでもハイジは『雨は一時的できっと天気は良くなるだろう。』と思っていたので(そう思いたかった。)「とにかく行ける所まで行って見よう。」と車から出ました。初めから濡れてしまうと体が冷えてしまうので雨具を着て行くことにしました。ところが!おんじが「あれ?俺の雨具は?」「はぁ?あんたの雨具なんて知るはずないじゃん。」山の準備はほぼハイジがしますが、ロープ等の装備とおんじの私物(雨具、防寒具、着替え等)はおんじが自分で用意することが慣例となっています。朝ザックに入れようと置いていた物をごっそり全部入れ忘れて来たのです。おんじのザックに入っていたのは、前日ハイジが入れておいた飲料2ℓだけでした。以前、ザックごと玄関に置き忘れて来たこともあり、それよりはましかもしれませんが、この天気が微妙な日に雨具を忘れるなんて『喝!』以外の言葉はありません。仕方なくペーターの防寒具として持って来たヤッケを着て行くことにしました。

 晴れました!
倉沢見通尾根への分岐地点に到着 お疲れのご様子
天目山頂上に着きました
ツツジのトンネルをくぐるように歩いて行きました
アンテナがありました。ここで
一般道ヨコスズ尾根に合流じます
まず倉沢のヒノキに向かいます
倉沢のヒノキは周6,3m
高さ34mあり「千年の大ヒノキ」とも呼ばれています。東京都で最大のヒノキで、天然記念物に指定されています。
 渋滞を避けて山には行かず待機していたゴールデンウイーク。その後の天気の悪い週末。平日の快晴にはハイジ、孫から風邪をもらい体調不良・・・新緑がまぶしいこんな良い季節なのになかなか山に行けずじれていたハイジ。しかし、とうとうチャンス到来。山の天気予報では「曇りだが雨は降らず登山日和」と出ました。これまでは晴れる日ばかりを狙ってきましたが、もう、曇りでもなんでも登れればいいと、奥多摩、天目山を
目指して朝4時少し前に家を出ました。ペーターは昨夜はすんなり9時前に寝てくれ睡眠はちゃんと取れました。天目山は奥多摩湖の北東にあり、その名の由来は中国の名刹、天目山似ているからということです。でも三ツドッケという変わった呼び方もあり、それは、山頂にピーク(ドッケ)が三つあることからだそうです。今回は倉沢見通尾根というバリエーションルートからヨコスズ尾根に出て、一杯水避難小屋を経て天目山に至るルートです。帰りは来た道を戻るか、余力があれば東側の棒杭尾根を下るという計画でした。
ようやく山登りだ!
コース&タイム 2023年5月21日(日)雨後曇り後晴れ
3:54家出発→4:05コンビニ出発→上野原インター→5:43倉沢林道入り口の空地に駐車 朝食・準備→6:14小雨の中雨具着て出発→6:16倉沢のヒノキ登り口→6:27ベンチ 雨具脱ぐ→6:40~45倉沢のヒノキ 倉沢見通尾根に入る→急登が続く→8:43迷いそうな所に目印の棒を立てる→9:06~18アンテナ ヨコスズ尾根に合流 コアラのマーチ パンダクッキー休憩→右側が切れたトラバース道→幾つかのピークを巻きながら越える→10:26一杯水避難小屋→ツツジ満開の美しい道→
11:02~11:25天目山(1,576m) 昼食 ハイジ、スマホ紛失事件→11:50一杯水避難小屋→11;57棒杭尾根への分岐→12:47アンテナ 倉沢見通尾根への分岐→滝入ノ峠の下通過→13:53道路→14:05~20日原トンネル→14:27車→14:57出発→16:47家到着

都内最大のヒノキ「倉沢のヒノキ

天目山頂上付近のツツジの群落
倉沢のヒノキの上部から見通尾根に入ります
雨具脱いですっきり
 そのダラダラが心地よい
 
 登って来た道を下ります。美しいツツジのトンネルを再びくぐれて嬉しいです。一杯水の避難小屋に到着しました。時間があれば一杯水を味わいたいところでしたがおんじが急いで帰りたがっているので諦めました。代わりに避難小屋の中を覗かせてもらいました。真ん中が土間で両サイドが板敷のシンプルな造りでした。下っていくうちにどんどん天気が良くなり日が射し、周りの山々が望めるようになってきました。途中、棒杭尾根への分岐地点がありました。時間的には同じくらいということなので、棒杭尾根を下るという選択肢もありました。ここにきてちょっと迷いましたが、棒杭尾根はバリエーションルートなので、急だったり迷いやすい可能性がありました。ここは安全を取って明瞭なヨコスズ尾根をこのまま下って行くことにしました。サイドが切り立ったトラバース道を無事越えて、登って来た倉沢見通尾根の入り口のアンテナの所に戻って来ました。右上には滝入ノ峠があるはずです。そこからはなだらかな下りが続きました。ハイジは若い頃は、ガッと登ってガッと下って達成感を得たいガンガン登り派だったので奥多摩特有のこの長くて単調なダラダラ道がもどかしくて苦痛でした。ところが今はこのダラダラが心地良いです。というか、むしろこれが精一杯。これでさえ怪しいもんです。2時間半ほど掛かってようやく道路に出ました。そこから10分ほど歩くと日原トンネルに着きました。案の定電気は付いていました。おんじから「トンネルには電気が付いていないので懐中電灯が必要だ。」と聞かされた時に「?」と思いましたが「やっぱり・・・」という感じです。一体いつの時代のことを言っとるんだね。おんじ君。この日原トンネルは全長1,107mあるのでトンネルの中を15分ほど歩かなくてはなりません。長いなー。トンネルを出て7分で車に到着。今日は結構長く歩いたなー。ペーター頑張ったね。お疲れでした。
一杯水へ

 
  登って良かった
 登り始めは雨でどうなることかと思いましたが、天候が良くなり、無事予定通り登頂でき、美しいツツジも見ることができ、この日、登山を決行して本当に良かったです。長い道のりに関わらずペーターも頑張ってくれました。
 6月に入ってずっとぐずついた天気の週末が続き、6日には関東も梅雨入りしました。今後は貴重な晴れ間を狙って出掛けたいと思います。
日原トンネルに入ります
道路に出ました
 このルートは、道標も目印のテープも無いので、おんじは途中、目印となるような所の写真を沢山撮っていました。そして、迷い込みそうな所に木の棒を立て掛け目印を作っていました。おんじの頭の中には、「今日は頂上は絶対無理。おそらくヨコスズ尾根に出た所で終わりで良くってせいぜい一杯水避難小屋までだろう。絶対この道を引き返すことになるだろう。」というシナリオが出来上がっていたのでした。前方にアンテナが見えて来ました。3時間の急な登りの末、ようやく一般道のヨコスズ尾根に合流したのでした。切り株が沢山あったので、ここで本日初めての休憩を取りパンダチョコクッキーとコアラのマーチを食べました。いい塩梅に雨は止みました。ここでおんじの思惑は外れ引き返す選択はなくなり「行ける所まで行って見よう。」と出発しました。ヨコスズ尾根に出てしばらくは細いトラバース道でした。なだらかですが右側が切れて急な崖になっているので注意が必要でした。万一バランスを崩したら下まで転げ落ち、大怪我か死が待っています。周りは靄が立ち込めて、新緑の木々を覆い、とても幻想的でした。『晴れていなくてもこれはこれでなかなか良いなぁ。』と思いました。トラバース道の後はなだらかな登りが続きました。ピークが幾つかありましたが全て巻いていました。ペーターは相変わらずちょっと歩いては座り込みを繰り返していましたが、整備されたなだらかな道なので表情は明るく、促すとすぐ立ち上がってくれました。そして、嬉しいことに、どんどん天気が回復し時折日さえ射すようになりました。やったぜ!
霧が立ち込め幻想的です
右側が切り立ち、ちょっと危険なトラバース道です 
雨が止み暑くなってきたので雨具を脱ぎました
小雨の中を出発です
倉沢まで戻ります
 頂上で昼食にしました。展望は無くてもあの素晴らしいツツジのトンネルの中を歩けたのだから良しとしましょう。下りは倉沢見通尾根を引き返す予定でしたが、とても急だったので雨降り後で滑りやすいだろうということで、このまま、なだらかで明瞭なヨコスズ尾根を下ることにしました。車を止めた所より2㎞程西に降りるので道路を歩いて日原トンネルを越えて車まで戻らなくてはなりません。おんじに依ると日原トンネルは電気が付いていないので懐中電灯が必要とのことで、懐中電灯を準備していました。『今時、まがりなりにも東京都の観光地奥多摩でトンネル内に電気が無いなんてことある?』ハイジは内心半信半疑でした。さて、「下山開始!」と思ったらハイジのスマホが見当たりません。ここに着いた時にスマホで時間を確かめたので確かにこの辺りにあるはず。しかし、ザックをひっくり返したり周りを探しましたが見つかりません。スマホを置いては帰れないので焦るハイジ。「何やってんだよっ。出したり入れたりしているから失くすんだ。時間のロスだ。遅くなって渋滞に巻き込まれるじゃないか。」とおんじ。怒りながらも懸命に探します。失くしたならまた余計な金と手間が掛かるという一心だったのでしょう。それにしても神隠しの様に失くなったスマホ。おんじが電話を掛けても圏外でつながりません。「どうしよう。」増々動揺するハイジ。すると「あったぞ!」とおんじ。ハイジの座っていた後ろの斜面の茂みに落ちていました。「あー良かった。」気を取り直して出発です。 
お昼ご飯です
満開のムラサキツツジが圧巻です
天気が良くなって日が射してきました
おんじは帰りに迷わないように所々に目印を置き写真を撮っていました
時々雨がバラバラと降って来ます
倉沢のヒノキ大きいです
トンネルを出ました 長かった~
ヨコスズ尾根に入ります
無事登頂できて良かったね
倉沢のヒノキの登り口に戻って来ました
一杯水避難小屋に到着
 頂上への登りに入るとすぐに、そこかしこにツツジの花が咲き誇っていました。鮮やかな朱色はヤマツツジ、白はシロヤシオ、紫がかったピンクはムラサキツツジ。まるでツツジのトンネルの中を歩いているようでした。丹沢でも今の季節はツツジが美しく檜洞丸にはツツジ新道と名付けられたルートがあるほどですが、はっきり言って負けました。こんなに沢山の大きなツツジの木が一斉に沢山の花を付け咲き乱れている美しい光景は見たことがありません。まさに絶景。この素晴らしい光景を見られただけでも今日登って来た甲斐がありました。満開のツツジに励まされながらほぼコースタイム通り天目山に着きました。頂上は狭く、数人の先客がいました。晴れていれば周りの山々が見渡せるそうなのですが、残念ながら霧に覆われて真っ白。展望は全くありませんでした。
凄すぎる!つつじの絶景

 
 前方に小さな白壁の小屋が見えて来ました。一杯水避難小屋です。5分ほど東に水が湧き出ているそうですが晴れの日が続くと水が涸れるそうです。「頂上くか?行くならここでは休まないぞ。」とおんじ。『え?行っていいの?』ここから天目山頂上までのコースタイムは30分。「今何時?」とハイジが聞くと「10時28分」とおんじ。おおーっ!十分頂上を狙える良い時間ではないか!案外良いペースで歩いていたんだな。「行く行く行くに決まってんじゃん。」
 まさかの雨じゃん!
中は電灯が付いていました
周りの山々が見渡せるビユーポイント
滝入ノ峠を見上げる
棒杭尾根への分岐地点
ヤマツツジ素晴らしい!
美しいしいツツジにペーターも笑顔(?)
再びツツジの中を歩きます
ハイジのスマホも無事見つかり下山です
頂上に立て良かった ペーター頑張りました
残念ながら霧で展望はありませんでした
頂上はもうすぐです
休まずすぐに天目山頂上に向かいます
とても急な登りです
倉沢見通尾根を登ります
パワーを感じます
満開のツツジにペーターも笑顔(?)
 「倉沢のヒノキ→」という看板に導かれて階段を登り、まず名所である「倉沢のヒノキ」に向かいます。10分程歩くと雨もほぼ止み暑くなってきたので雨具を脱ぎました。「倉沢のヒノキ」は太く大きくパワーを発しているように感じられました。(気のせい?)丹沢には箒杉や弁天杉などの杉の巨木がありますがここまで大きなヒノキを見るのは初めてです。木にパワーをもらい、木のすぐ上部に延びている倉沢見通尾根に取付きます。霧で幻想的な樹林の中、這いつく張らなくてはならないほどの急登が続きます。そうなるとペーター、座り込みが始まります。黙って立ち上がるのを待ち、立ち上がったら褒めちぎる作戦でどうにか歩いてくれました。この日は睡眠が取れていたのでなんとかなったものの、もし、睡眠不足だったらもっともっと歩かせるのに苦労したことでしょう。時々バラバラと音を立て雨が降ってきましたが、樹林におおわれているので雨が直接掛かることはなく雨具は着ないで済みました。でも稜線に出たらきっと濡れてしまうでしょう。ハイジも『今日は頂上は無理かもしれない。せめて一杯水避難小屋まで行きたいなぁ。』とやや弱気になって来ました。おまけに、自分の左足の靴を自分の右足で踏むというアンビリーバブルなことをしてしまい、バランスを崩し、全く転ぶ必要のない所でひっくり返って右側のお尻と腿をしたたか打ってしまったのでした。それが足を動かす度に結構痛み、この日の登山中ずっと、そして帰ってからもしばらく続き大痣ができてしまいました。
    倉沢の大ヒノキを経て
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ハイジ、スマホ紛失事件
 

【おしまい】 (´・・`)

コアラのマーチやパンダクッキーで一休み
見事なヤマツツジ
天目山から一杯水避難小屋に下ります
天目山頂上 霧に覆われて展望はありませんでした
見事なシロヤシオ
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